クラシック

2013年11月 8日 (金)

ブラームス「交響曲第3番・第3楽章」を聴き比べる

フランソワーズ・サガン原作「ブラームスはお好き」の映画化「さよならをもう一度」(1961年米仏合作映画)で使われた、ブラームス「交響曲第3番・第3楽章ポコ・アレグレット」の、聴き比べをしてみた。以下、録音・発売年代順。

いずれも演奏時間6分〜7分前後の非常に短い楽章であるが、よく聴くとそれぞれに微妙な違いもあって面白い。同じオーケストラでも指揮者が違うと音まで変わって聞こえるのも興味深い。

ベーム、ジュリーニ、レヴァインそれぞれが指揮したウィーン・フィルにしても、カラヤン、アーノンクールが指揮したベルリン・フィルにしても、指揮者の解釈が異なることから、同じオーケストラとは思えない音。
例えはおかしいと思うが、同じ素材で別の料理を作るって感じか。それとも同じ料理に調味料と香辛料の加減が異なると言う感じか。上手く言えないがこればかりは、聴いてみないことには伝わらないか。
会場とか録音状況とか、レコーディング時のスタッフとか、エンジニアとかが異なることも違いに出るのかも知れない。いずれも先入観を持たずに聞いてみることが一番だろう。

ブルーノ・ワルター指揮コロンビア響(1960年)
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ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル(1964年)
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サー・エードリアン・ボールト指揮ロンドン・フィル(1971年)
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クルト・ザンデルリンク指揮シュターツカペレ・ドレスデン(1972年)
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カール・ベーム指揮ウィーン・フィル(1976年)
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カラヤン指揮ベルリン・フィル(1977年)
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サー・ゲオルグ・ショルティ指揮シカゴ響(1978年)
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カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウィーン・フィル(1990年)
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ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮ロンドン・フィル(1991年)
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ジェイムズ・レヴァイン指揮ウィーン・フィル(1992年)
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小林研一郎指揮ハンガリー国立響(1992年)
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ベルナルド・ハイティンク指揮ボストン響(1993年)
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ズビン・メータ指揮イスラエル・フィル(1994年)
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ウラディーミル・アシュケーナージ指揮クリーブランド管(1994年)
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朝比奈隆指揮大阪フィル(1995年)
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ニコラウス・アーノンクール指揮ベルリン・フィル(1996年)
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小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラ(2000年)
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この中で特出しているのは、非常に繊細な弦楽に心洗われる思いのするザンデルリンク指揮シュターツカペレ・ドレスデンの演奏。包み込む包容力に体全身が暖まる名演だ。1548年ザクセン選帝侯宮廷楽団として設立され、現存するオーケストラとしては1448年に設立されたデンマーク王立管弦楽団に次ぐ歴史を持つ(Wiki)にあるように歴史は古く、数多くの指揮者が演奏して来た欧州屈指の名門オーケストラだ。繰り返し聴いても同じ感想を抱く演奏に敬意を表したい。

2013年10月11日 (金)

ヴィヴァルディ「四季」を聴く

フェリックス・アーヨのヴァイオリン独奏によるイ・ムジチ合奏団で、ヴィヴァルディの「四季」を聴く。
まずは1959年録音にしてハイレベルなステレオ音質に驚嘆。透明感のあるアーヨのヴァイオリン、幾分スローなテンポ。これで良い。イ・ムジチは通算7回の「四季」録音しているらしいが、1959年録音版でもって「この作品を有名にした元祖ともいうべき演奏」と評価が高い。
1_2 かれこれ累計300万枚を売り上げているらしいイ・ムジチの「四季」、この曲の代名詞と言える合奏団であるが、バロック音楽を得意としていることから当然、その他の作品にも期待を持たせる。
ここ最近、マーラーやらバッハのミサ曲やらなんやら、重たい曲に接していたことで、朝の茶漬けのようなサッパリ軽めの曲が聴きたくなった。そんな時、ちょうど良い。

同じくヴィヴァルディの「四季」をジェラール・ジャリのヴァイオリン、パイヤール指揮パイヤール室内管弦楽団で聴き比べ。
こちらはハイ・テンポの「四季」、これもまた有りか。
1 巻末収録・・・工藤重典のフルート演奏が良い。「海の嵐」「ごしきひわ」なかなかの名演である。

2013年9月29日 (日)

夜明け前、ベートーヴェン「交響曲第6番・田園」を聴く

夜明け前のひと時、聴くに相応しい曲。ベートーヴェンの交響曲第6番・田園。

第1楽章・「田舎に到着した時の愉快な感情の目覚め」が静かに始まる。
Index 展開部では徹底的に第1主題動機を扱う。 変ロ長調からニ長調、ト長調へと転調しつつ、主題の動機を36回繰り返す。一段落すると、今度はト長調からホ長調イ長調へと転調しつつ同様な反復となる。 再現部では第2ヴァイオリンとヴィオラによって第1主題が示される。4小節目の半終止の代わりに第5小節から第1ヴァイオリンの軽快な句が現れる が、これは第5番の第1楽章再現部でのオーボエの叙唱句と同様の筆法である。第2主題では型どおりにヘ長調をとる。コーダでは展開部と同じように始まる が、すぐに転調して木管と弦のかけあいから弦のみとなり、クラリネットとファゴットの重奏、ヴァイオリン、フルートと続いて全合奏で終わる(Wiki)とある。

数多の指揮者の中で今朝選んだのは、1958年録音のアンドレ・クリュイタンス指揮ベルリン・フィル史上初のベートーヴェン・交響曲全集からである。

第1楽章冒頭から、まさに主題の通りの展開である。
ベルリン・フィルにとって、フランス人系ベルギー人のクリュイタンスが初のベートーヴェン交響曲全集指揮というのも面白いが、仕上がりの見事さには驚きを感じてしまう。フルトヴェングラーでもカラヤンでもなかったと言うことも。

良い演奏は、安心して聴き流せるということなのではないか。部屋の空気と同化したような。演奏が安定してるから、次に来るものへの安心感とか、裏切らない期待とか。

ベーム版も好いが、今朝の気分はクリュイタンシズム?である。

2013年8月 3日 (土)

Karajan 1970s、入手す!

5月初旬に予約、数回の発売延期Mail、そして遂に先日8月1日に、宅急便が我が家へ「Karajan 1970s」を届けてくれた。HMVへ発注した中で最長納期商品だ。
1 ボックス外貼りのチラシ?である。
CD88枚で発売済企画商品をCD82枚に再編した再企画商品である。
気になっていた再編(減った枚数分)がどうなされたのか?
チェックした限りでは下記内容のようだ。
Beethoven Symphonyの、No.4とNo.5、No.6とNo.7が各同一CDに統合。
Brahms Symphonyの、No.2とNo.3が同一のCDに統合。
Tchaikovsky Symphonyの、No.1とNo.2が同一のCDに統合。
R.StraussのSymphonic Poem「Tod und Verklarung」等が同一のCDに統合。
更にもう1枚のCDに統合された作品があるようだが、探しきれない。まあいいか、って感じになる。
それ程にこの企画は素晴らしいし、所有満足度が高い。
先の企画商品「Karajan 1960s」も高い満足度を得たが、今回はそれを凌ぐ内容と手応えである。

この企画商品の魅力は何と言っても、LP発売当時のオリジナル・デザイン・ジャケットを踏襲してるところであろう。そのことが「所有満足度」を一気に高めているのだ。

1960年代、ベルリン・フィルを指揮するカラヤンには或る種、やっつけ的な振る舞いを感じるが、それから10年以上も指揮し続けたベルリン・フィルとは、日常の空気のような間柄になったのか、極めてナチュラルであり、全くの自然である。謂わば、体の表と裏の関係か。頭にある脳みそと体全体の機能が渾然と一致した、所謂一体化であろう。

入手したばかりの今日現在、さすが全曲を聴いたわけではないが、上記コメントは恐らく外れていないだろう。

暑い今年の夏、一枚一枚丁寧に聴き込むに絶好のプレゼントGetである。

2013年7月29日 (月)

Great Works For Cello & Orchestra (Mstislav Rostropovich)を聴く

Vivaldi: Cello Concerto In C, RV 398 - 1. Allegro
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再生回数56回。僅か3分10秒の短い曲でありながら、印象に残る名演だ。
Great Works For Cello & Orchestra (Mstislav Rostropovich)、というアルバム冒頭の曲だが、何度聴いても聴き飽きない。と言うことは所謂、名曲&名演ではないか。1978年のアルバムとあるので、ロストロポーヴィチ51歳の演奏か。
私のライブラリ中、最多再生回数曲は、Bach: Orchestral Suite #1 In C, BWV 1066 - 1. Ouvertureの79回。Karl Münchinger: Stuttgart Chamber Orchestraの演奏で、2012年12月27日以来この回数を超える演奏は未だにない。
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早朝、と言っても夜明け前に目覚めて、聴いていて徐々に心が高揚、しかも爽やか、そんな曲であり演奏だ。

2013年7月24日 (水)

クラシックのライブ演奏を考察する

シャルル・ミュンシュ。
ベルリオーズの「幻想交響曲」はかなり有名だ。
その「幻想交響曲」を、シャルル・ミュンシュ指揮パリ管弦楽団の演奏で、スタジオ録音盤と1967年パリ・ライブ盤の2枚を聴き比べた。
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スタジオ録音盤でも超名演と謳われた組み合わせ、これをライブで聴かせてくれた。
鳥肌モノである。
これを聴きながら私は、あのライブ盤を想い出していた。
カルロス・クライバー指揮バイエルン国立管弦楽団の演奏「ベートーヴェン・交響曲第4番」のライブ盤。
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第4楽章を演奏しきったあと一瞬の静寂、それから俄に沸き起こる拍手、ブラボーの雄叫び、そしてスタンディング・オヴェーション。数分間に及ぶオヴェーションは私が嘗て経験したことのないほどの衝撃です。「1982年5月3日、カルロス・クライバーとバイエルン国立管弦楽団は“カール・ベーム追悼”と銘打ったマチネー・コンサートをミュンヘンの国立劇場でおこない、ベートーヴェンの交響曲第4番と第7番を演奏して大成功を収め」ており、「私にとって、レコーディングにOKを出すことは常にある種の恐怖を伴うことでした。しかし、バイエルン国立管弦楽団との今度の演奏は、大いなる喜びを持って私がレコーディングを承認することを可能にしてくれました。
 我々は、耳に訴えるこの“スナップ・ショット”に対し、いかなる化粧も施したくありませんし、どんな小さな修正も加えたくなかったのです。実際、どのような批判に対しても、私たちは反論する根拠を持っています。
 生命力を耳から感じ取ることができる人達にとって、これほど心をこめて、自信を持って、また精霊に導かれるかのように楽しげに演奏を聴かせてくれるオーケストラは、バイエルン国立管弦楽団を置いてほかにないとすら断言できます。本当にありがとう!」と、クライバー自身に言わせしめるほどの内容だったのだ。

本来アーティストは、ライブでの出来にエネルギーを割くものだと私は考える。緊張感、熱気、後戻りができない、先へ進むしかない、多少の演奏ミスなど些細、等々。恐らく、スタジオではあり得ない異様とも表現すべき世界が展開するのではないか。そうとしか思えないライブ盤、これからもこのような手応えある演奏に出会いたいものである。

2013年7月21日 (日)

マリア・ジョアン・ピレシュで「シューマン」のピアノ協奏曲を聴く

なめらかな起伏を描きながら気負いもなく、しかも深いピアノの音色を感じる。やはりこの人は、ピアノが上手いのだ。
指揮・クラウディオ・アバド、演奏・ヨーロッパ室内管弦楽団を曲の背景として、マリア・ジョアン・ピレシュの弾くシューマンのピアノ協奏曲。いつしか彼女の全集が出ることを期待しつつ、今は1枚1枚をじっくりと鑑賞したい。
Index0_2 1997年録音のDG盤である。

2013年7月14日 (日)

マリア・ジョアン・ピレシュで「バッハ」のピアノ協奏曲を聴く

マリア・ジョアン・ピレシュの弾くピアノで、バッハの「ピアノ協奏曲」を聴く。モーツァルトやショパンの作品が多い彼女の演奏の中でも、珍しい作品かと思う。
マリア・ジョアン・ピレシュのピアノ、ミシェル・コルボ指揮・リスボン・グルベンキアン財団室内管弦楽団の演奏で、1974年の録音である。
Index_14 このピアニストは基本、上手いのだ。バッハに関しては他に演奏した作品を知らないので一概には言い切れないが、柔らかなタッチは独特のものだ。モーツァルトのソナタ全集や、協奏曲などの録音を始めた30歳前後の頃から、彼女は本領を発揮し出したのか。それは恐らく、彼女の得た天分なのであろう。

2013年7月13日 (土)

マリア・ジョアン・ピレシュで「モーツァルト」のピアノ協奏曲を聴く

マリア・ジョアン・ピレシュのピアノで、モーツァルトのピアノ協奏曲を聴き比べた。
1972年、テオドール・グシュルバウアーの指揮、リスボン・グルベンキアン財団室内管弦楽団の演奏で「ピアノ協奏曲第21番」。
1976年、アルミン・ジョルダンの指揮、ローザンヌ室内管弦楽団の演奏で「ピアノ協奏曲20番」。ジャケットの彼女が若い、まるで少年?のようだ。1944年生まれだから、28歳〜32歳の頃か。
Index_7ピアノ協奏曲のジャケットはこちら。
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1993年にイタリア・ボローニャでのライブとなった、クラウディオ・アバドの指揮、ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏で17番と21番。当時、49歳の頃だろうか。アバドの表情にも若さの面影が残る写真だ。

Indexそれにしても上手いピアニストである。悠々と引き語っているところが凄い。それぞれの伴奏が彼女のピアノを盛りたてる、と言った作品に仕上がっている。恐るべし、ポルトガルのピアニストである。

 

2013年7月11日 (木)

マリア・ジョアン・ピレシュで「ショパン」のノクターンを聴く

この人のピアノタッチは、雨垂れだ。
岩を穿つ勢いのある雫ではなく、ピチャピチャと岩にはじけるタッチだ。
はじけた雫が心に滲み入る、そんなタッチだ。
1_2 彼女の弾くショパンのノクターン、珠玉のアルバムである。
朝も、晩もいつ聴いても「あ、いいな」と感じる出来である。
モーツァルトもいいけど、ショパンは更に良い。
ひょっとしたら、ポリーニよりも良いのか?

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