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2012年9月 1日 (土)

山本一力著「あかね空」再読


数珠がずれて、手首のアザがはっきり見えた。焦げ臭い匂いを残して証文が燃え尽きた。

「うちらを相手に、銭やら知恵やら力比べをするのは、よした方がいいぜ」伝蔵がおきみに笑いかけた。凄みを消した、きれいな笑いだった.

堅気衆がおれたちに勝てるたったひとつの道は、身内が固まることよ。壊れるときは、かならず内側から壊れるもんだ。身内のなかが脆けりゃあ、ひとたまりもねえぜ

伝蔵は障子をきちんと閉めて出ていった。残された五人は、燃えかすの残った茶碗に見入っていた。

<文中より>

山本一力著 「あかね空」約10年ぶりに再読。著者は、渡世人の親分・伝蔵の言葉を借りて本書のキモを語っている、と思う。10年前は気付かなかった箇所だ。著者はこの作品で直木賞を受賞しその後、作品を量産している。クラシック音楽で同じ作品を改めて聴き直したりと同様に、再読は、感じなかったこと、見えなかった場面が見えるようになる。その時その時の精神的な状況が多分に左右するのだろう。

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